レム睡眠はふるい眠りである
「上位の脳ほど高等な機能をもつ」と単純に考えると、レム睡眠の座は、魚類や両生類にも共通の下位の脳、つまり脳幹である。
それに対して、ノンレム睡眠にかかわる脳は、脳幹の最先端とそこに接する大脳にあって、ふつう「前脳」とよばれる部位である。
ここは、爬虫類の脳でいえば、いちばん高等なところだ。
第二に、発育とレム睡眠の関係も示唆にとむ。
レム睡眠の比率は幼若期には非常にたかく、発育するにつれて急速にへっていく。
出生直後の赤ちゃんは、全睡眠時聞の72パーセントがレム睡眠(動睡眠)で占められる。
進化のうえでふるいものほど、胎児や幼児の時期にあきらかだ、という生物学の原則がある。
「個体発生は系統発生をくりかえす」というものだ。
これに該当するのは、ほかならぬレム睡眠だ。
ひきかえ、羽毛 ふとんでのふかいノンレム睡眠が完成するのは、発育上ずっとあとのことである。