イルカは左右の脳を半分ずつ眠る
睡眠を研究している私たちの仲間の間でも、ときどき睡眠不用論がでます。
そのなかで面白い話がでました。
私たちの脳は左右一つずつあるから片方ずつ交代で羽根 布団で眠れば、眠らないで研究ができるというのです。
この考えは必ずしも荒唐無稽のことではありません。
もう既に実行している動物がいます。
人間の次に利口だといわれているイルカです。
片目をあけて眠るということは昔から知られていましたが、最近モスクワの科学者たちによって脳波を記録して脳が半分ずつ交代で眠っていることが報告されました。
黒海でとれたイルカを5×5×1.2メートルの水槽のなかで自由に泳がせておきます。
2ケ月の間このタンクに馴らしてから、頭に電極を植え込んで72時間連続ポリグラフ記録をとりました。
すると左右の脳が交代で眠るのが9頭のうち6頭にみられたといいます。
イルカは魚のように海にすんでいるけれども哺乳動物ですから、ときどき水面に出て呼吸をしなくてはなりません。
海には波があるからうまく波の静かな瞬間をねらわないと呼吸ができません。
それにはどうしても起きていることが必要です。
眠っていたのではうまくいきません。
イルカはこのむずかしい問題を、脳を半分ずつ眠らせることで解決したわけです。
ふつうの哺乳動物は眠るとき左右の脳が一緒に眠りますが、イルカはどちらか一方を1時間ぐらい眠らせ、片側の脳を起こしておきます。
これを交互に繰り返しているのです。
こうして呼吸に必要な注意力を一日中保つことができるのです。
イルカの左右の脳が交互に眠るしくみがわかると、人間にも応用できるようになるかもしれませんね。