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2010年12月 アーカイブ

イルカは左右の脳を半分ずつ眠る

睡眠を研究している私たちの仲間の間でも、ときどき睡眠不用論がでます。


そのなかで面白い話がでました。


私たちの脳は左右一つずつあるから片方ずつ交代で羽根 布団で眠れば、眠らないで研究ができるというのです。


この考えは必ずしも荒唐無稽のことではありません。


もう既に実行している動物がいます。


人間の次に利口だといわれているイルカです。


片目をあけて眠るということは昔から知られていましたが、最近モスクワの科学者たちによって脳波を記録して脳が半分ずつ交代で眠っていることが報告されました。


黒海でとれたイルカを5×5×1.2メートルの水槽のなかで自由に泳がせておきます。


2ケ月の間このタンクに馴らしてから、頭に電極を植え込んで72時間連続ポリグラフ記録をとりました。


すると左右の脳が交代で眠るのが9頭のうち6頭にみられたといいます。


イルカは魚のように海にすんでいるけれども哺乳動物ですから、ときどき水面に出て呼吸をしなくてはなりません。


海には波があるからうまく波の静かな瞬間をねらわないと呼吸ができません。


それにはどうしても起きていることが必要です。


眠っていたのではうまくいきません。


イルカはこのむずかしい問題を、脳を半分ずつ眠らせることで解決したわけです。


ふつうの哺乳動物は眠るとき左右の脳が一緒に眠りますが、イルカはどちらか一方を1時間ぐらい眠らせ、片側の脳を起こしておきます。


これを交互に繰り返しているのです。


こうして呼吸に必要な注意力を一日中保つことができるのです。


イルカの左右の脳が交互に眠るしくみがわかると、人間にも応用できるようになるかもしれませんね。

精神病と不眠の関係

今日は精神分裂症のある男性の不眠の症例を書いていきます。


彼は、夜間静かになると、幻聴がはっきりしてきて、イライラするために高級 羽毛 布団の中でさえもなかなか寝つけないとのことでした。


そこで早速強力な精神安定剤(抗精神薬)と、入眠をよくするために睡眠薬を投与しました。


この患者さんは腎炎の既往があり、現在でも蛋白尿がみられますので、あまり多量の投薬は出来ません。


しかし服薬を開始して、1週間位で睡眠は充分にとれるようになり、幻聴も、1ヶ月間の服薬でほとんど気にかからないところまでとれてきました。


この患者さんの場合は、精神症状が落着いた時点では睡眠薬の必要もなくなりました。


その後少量の抗精神薬を続けていますが、最近少し気力がなくなってきて、会社へ出勤するのがおっくうになってきた、と言っています。


診察をすると軽い感情の鈍麻があり、やや自発性の減退が認められます。


現在自発性をだすような薬を使っていますが、家族の話では、時々イライラして怒りっぽくなる、ということです。


この方の病気は、分裂病の3つのタイプの中のどれにあてはまるか、むずかしいところですが、発病年齢が比較的高いため、今までのところは何とか会社勤めも続いています。

精神病と不眠の関係 2

少しずつ病状が進行しているようですので、また近いうちに幻覚や妄想とともに、不眠症が出現してくる可能性があります。


次の症例は、分裂病の症例。


K.Aさん(21歳)男性予備校生です。


K.Aさんは、高校卒業後大学入試に失敗し、浪人して東京で予備校に通っていました。


夏頃までは予備校に並日通に行っていたらしいのですが、9月になってから、だんだん予備校を休むようになったようです。


家族は地方にいるので、本人の状態がまったくわからなかったとのことですが、10月頃に、用事で上京した母親が荒れ放題の下宿の部屋で、パジャマのまま昼間から羽毛 掛け 布団の上でゴロゴロしている息子を発見して、びっくりしてしまいました。


高校までは病気もせず、成績もまずまずだった息子が、髪の毛はのび放題、着ているものもうす汚れていて、すっかりやっれはててしまっていたのですから、びっくりするのが当然です。


早速実家に連れかえって、その後私の診療所を両親と共に受診されました。


診察室に入ってくると、すぐにこれはノイローゼやうつ病のような状態ではなく、分裂病であることが推察されました。


顔は表情に乏しく、質問に対する答は簡単にはしますが、自分から悩みなどを訴えることはありませんでした。

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